Body temperature

その右腕が己の方へと伸ばされて

此方の手首を掴んだ時は要注意だと、解っているのに。

唯ひたすらに機嫌の悪そうな顔付きも、その手を振り払う動作も
何もかも、受け入れられぬ侭。——流されてしまう、何時も。




「——なぁ、御前さん、俺の事…嫌いじゃぁ無かったのか？」

「嫌いに決まってンだろ」

「なら何で組み敷かれてんだ。　…その嫌いな相手に」

「…ぃおん、が」

「ライオン？」

「馬鹿か。…——だから」



———生きているものに触れないと、死んでしまう　　から。





「…——ッ　ぁ　………」

途端、剥き出しの首筋に這う舌先は、まるで生き物のよう。

（NPC：マリリン）

ふふ、本当にあの子、不器用で可愛いわよね。
笑顔がぎこちない処とか、自分の気持ちにあやふやな処とか、
慌てる様子とか、本当に。…ううん、タイプな訳じゃないんだけど。
でも、あの子の知り合いの彼にはちょっと興味があるわ。
是非お顔を拝見しないとっ。　

…でも、アレよね。恋愛。

ううん、私もね、辛い恋愛一杯体験してきてるから、解る事なんだけど。

結局人は恋をして大人になっていく生き物なのよ。

色んな経験して、色んな感情知って、そして傷付いて玉砕して
それでも這いずるように這い上がって強くなっていくの。

あの子が感情に乏しいのは、そういう経験が未だ少ないからよね。
きっと。…でも、大丈夫よ。此から、大人になって行けば良いの。

そして、私は其れを近くで見守っていきたい、って。

——本当に心から、そう思っているのよ？

暴走

押さえてくれて、どうもな。

助かった、なんて言ってやらねぇけど、結構ヤバかったから。

まぁ、アレだ、名前は…まぁ、彼奴自身が覚えておけばそれで良いだろ。

驚く顔が見たいとか、言いやがったけど…悪かったな。
顔に出せねぇンだよ。寧ろ、眼球もねぇからなかなか表情には
なり辛ぇだろ。…まぁ、アレだな。急に寝込み襲われたりしたら
ちったぁ驚くかもな。…その前に斬るかも知れねぇがよ。